瑞々しい映画だと思った。
こちらが少々狼狽えてしまうほどの、大人に対する真っ直ぐすぎる質問。
ぶつけどころもわからない思春期の葛藤。
光のあたたかさを感じるような真っ白なエンドロール。
主人公の田汲朝を演じていた早瀬憩さんがとてもよかった。
朝の素直で無邪気な部分が原作の通り。
彼女の叔母の槙生(新垣結衣)に駆け寄る姿やちょっとふざけて小躍りするところなど、観ていて微笑ましい気持ちになった。
「大人」はなんでもできる人間だと思っていたあの頃。
わたし自身はどちらかというと槙生と年齢が近いこともあり、この作品は漫画も含めて槇生の視点に立つことが多い。
高校生の朝やその同級生たちを、余計なお世話かもしれないが「どうか健やかに」と願い、見守るような感じ。
彼女たちの姿を観ていて学生の頃を思い出し、懐かしい気持ちにもなった。
身近な大人といえば、先生・親・塾の先生くらいしかいなかったあの頃にこの作品を観ていたらまた違った感想があったのだろうか。
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