【暮らしのひとすくい】紙袋にぬいぐるみが入っているだけでつよい気持ちになれる(2023.12.11〜12.17)




12月11日(月)

外へ出て家の鍵を閉めるときに空を見る癖がついた。今の家に引っ越してきて、出社する朝は必ず空を見ている気がする。
夏には太陽がすっかり昇って明るかった空も、今はもう下の方がかすかにオレンジ色に見えるくらいで、濃紺色をした真っ暗な空が広がっている。
この家にきて、そんなにも季節が巡ったのだなと実感する。


12月12日(火)

今日は雨だったので、PCを持ち歩くのが面倒になり、携帯のメモ帳を使って書いている。
あくまでも下書きなので、携帯でも十分に書けると思ったが、やはりPCの方が断然に捗る気がする。
画面に指を滑らせる感覚よりも、キーボードで打ち込む方が何だか気分はいい。
そんなちょっとしたことで、筆の進み具合が変わってしまう。単純だ〜。


12月13日(水)

この【暮らしのひとすくい】では、サムネイル画像を自分が過去に撮ったフィルム写真から選ぶようにしているのだが、フォルダを見返していると確かに自分が撮ったもののはずなのに、本当に自分が撮ったのだろうかと思ってしまうことがある。

大学では写真サークルに入っており、定期的に展示などもやる機会があったので、日常でも撮り溜めておこうと思い、なるべくカメラを持ち歩くようにしていた。
ときには友人にモデルを頼んで自分たちで衣装を用意したり、撮影用にメイクもしたりしてみたこともあった。

あの当時はそれほどエネルギーを使っているとは思わなかったけれど、今の私からしたら相当なエネルギーを使っているなあと思ってしまう。過去の自分だけど、自分じゃない。まるで別人のよう。

今も写真を撮ることは好きだけど、あのときのようには撮れないだろうなと思う瞬間がたくさんある。
二度と同じものは生み出せないよなと思うのだ。


12月14日(木)

仕事終わりに大学時代の友人と会う。
大学入学時に出会ったので、もう10年ほどの付き合いになる。

最近彼女は誕生日を迎えたので、話題が歳の話になると、彼女が
「10代の頃から自分は何も成長していない」
と言った。

わたしの場合、あの頃を思い返すと、無知で精神的にも未熟だったと感じることも多く、現在と比較すると少なからず自分は成長している!と思っているので(そうであってほしい願望)、さすがにそんなことはないだろうと思いつつも、本人がそう感じているのならそうなのだろうと特に何もいうことができなかった。

そのあと別のカフェへ移動すると、彼女がブラックコーヒーを頼んでいた。
カフェとコーヒーが好きだという割にちょっと前まではカフェラテしか頼めなかった彼女だったが、最近やっと飲めるようになったらしい。

「成長してるね」
とちょっとふざけていうと、彼女は笑っていた。


12月15日(金)

なんとなく金曜日はいつも誰かに会いたくなったり、ちょっと豪華食事をしたくなったりする。特別なことがしたいのだと思う。
1週間の仕事を乗り切ったご褒美がほしいのか、今日に関しては小さな失敗が重なって気分が優れないからなのか。

気分が優れないときこそ、日々のルーティーンを淡々とこなすことが大事だということに最近気がついたので、面倒だと思いつつも、キッチンに立つ。

野菜を切りながら、今季いちばん楽しみにしているドラマが昨日更新されたことを思い出し、思わずほくそ笑む。ごはんを食べながら観るのが楽しみだ。

無事にごはんを作り終え、楽しみにしていたドラマを観ながら、いつもと変わらない夜ごはんを食べる。
今日はお風呂を入れて、ゆっくりあったまろう。


12月16日(土)

たまたま寄った百貨店で、さまざまな作家さんたちが手がけたぬいぐるみを集めた催事が行われていた。
ぬいぐるみひとつひとつに、どれも個性があって可愛らしい。

ちょうど母へのクリスマスプレゼントをどうしようかと悩んでいたので、本腰をいれて見ることに。

散々悩んだ挙句、オレンジ色をしたきつねのような見た目の小ぶりな子を選んだ。
目はちょっと眠そうで、ハート型のようになっている赤い鼻がポイントだ。
首元には黄緑色に赤いドットがあしらわれたリボンをしていて、そのポップさがまた可愛らしい。
我ながらいい買い物をしたと思った。

先週実家へ行ったときに、母には北欧柄のトートバッグをあげるね〜なんて話をしていたが、実用性ゼロのこのぬいぐるみをプレゼントされたら一体何というだろう。

帰り道、紙袋に入ったぬいぐるみを気遣うように丁寧に運ぶ。
可愛いぬいぐるみが紙袋に入っているだけで、つよい気持ちになれることを知った。


12月17日(日)

定期的に行きたくなるお店がある。
この「行きたくなるお店」というのは、ある特定のお店ではなくて、街にひとつはあるであろう、インド人がやっているカレー屋さんである。
お店に入ると感じるあの現地感。過剰すぎない接客の距離感も心地いい。

出先のお昼に食べたくなったので、いちばん近そうなカレー屋さんを探す。
どこに入ってもそれなりの個性は感じるが、ベースは同じような気もするので、そういうお店を取りまとめる組織がどこかにあるのだろうかとふと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました