【暮らしのひとすくい】片付けをしている傍らでお祈りをした初詣(2023.12.19〜2024.1.4)




12月19日(火)

会社へ向かう通勤路にシフォンケーキ屋さんがある。
お店の前を通る時は、朝のオープン前の時間なので、外から見えるガラスケースはいつも空っぽだ。
帰りは反対側の道を通ってしまうので、ガラスケースいっぱいのシフォンケーキにはいつまで経っても出会えない。


12月20日(水)

終業後、より時間の早い電車に乗りたくて急ぎ足で歩いていると、観光客らしい外国人に話しかけられた。
どうやら「シブヤスカイ」に行きたいらしい。しかも電車ではなく、タクシーで。

突然の英語とタクシーのダブルパンチ。
普段タクシーに乗らない上、英語にも戸惑ってしまう。

戸惑いながらも目の前にタクシーが通りかかったので、なりふり構わず思いっきり手をあげた。
残念ながらタクシーは通り過ぎてしまう。「空車」の文字がなかったので、人が乗っていたということか。

その様子を見てタクシーの止め方を理解してくれたようで、その外国人の方とはそのまま別れた。
無事にタクシーがつかまりますように。

英語を勉強していたはずなのに、結局はジェスチャーになってしまったのが悔しい。
もやもやとした気持ちを抱えつつも駅へと急ぐ。乗りたかった電車には乗ることができた。


12月21日(木)

1年のなかでクリスマスの時期がいちばん好きである。
だんだんと空気が冷たくなって、街がライトアップされたり、クリスマスソングが流れたりすると、昔からなんだかわくわくしてしまう。

クリスマスが好きが故にだと思うのだが、個人的にもボルテージをあげなくてはという義務感のようなものがある。
実家にいた頃はハロウィンが終わった次の日から、一人でクリスマスツリーを出して部屋をそれっぽく飾りつけたり、クリスマスのオーナメントを購入したりと、クリスマス当日までに自分のなかでの”クリスマス感”を高めるのである。
それで今年は十分に盛り上げきれたか、そうでなかったかを評価する。

残念ながら今年はあまり盛り上げきれてない年になってしまった。
最後の悪足掻きのように慌ててクリスマス映画のサントラを流してそれっぽくしてみる。


12月26日(火)

健康診断を受けてから出社する。
いつもより遅い時間に、いつもと同じ道を通って会社まで歩く。
時間が違うだけで街の様子がまるっきり違うことに少し驚く。
朝が早いので当たり前だが、いつも開いていないお店が開いている。こんなお店だったのか!

お昼に出社するなんて、午後から授業を受ける大学生の頃みたいだ。
道に銀杏の葉がひらひらと何枚か落ちるのを見て、大学時代好きだった銀杏並木を思い出していた。


12月28日(木)

最終出社日。
仕事自体は午前中で大方片付いていたので、午後からは自分のデスク周りの掃除に取り掛かる。
「せっかくの大掃除だし」と思い、ずっと気になっていた窓にかかったブラインドに手を出してしまったのが失敗だった。
誰も滅多に掃除しないので、汚れがしっかりと溜まっており、思った以上に時間がかかる。

結局、そこだけの掃除で終わってしまった。


12月30日(土)

「年内最後に」と友人に会う。
会って話して、食べて、歩いてをしていたらやることがなくなってしまったので、急遽お互い気になっていた映画を観ることになった。

「年末に観る映画ではなかったね」

考えさせられるいい映画ではあったのだが、後味が少し悪く、重たい内容の映画だった。
映画を見終わった頃には暗くなていたので、ちょっと立ち話をして気持ちを消化しつつ、年末のお決まりの挨拶をしてそのまま別れた。

わたしは何日かその映画を引きずっていた。


12月31日(日)

毎年思うことではあるが、今年は特に「年の区切り」というものを感じない気がする。
あの焦るように来る”年末感”をあまり感じないのだ。

子どもの頃は年が変わるというだけで、何もかも気持ちも全て新しく生まれ変わるような気さえしていた。
今年はいまだにあまり寒くなく、この気温のせいなどもあるだろうが、自分がそれだけ大人になったということだろうか。(すっかりいい大人です)


2024年1月1日(月)

年末年始は大抵実家で過ごす。
適当にダラダラしながら紅白歌合戦を観て、その流れのまま、ゆく年くる年の除夜の鐘で新しい年を迎える。
そして深夜1時頃になると近所にある小さな神社に初詣に行くのがここ数年の恒例になっていた。

今年も1時近くなってきたので、母といそいそ準備をはじめる。
母は去年購入した破魔矢を持ち、
「今年は別に買わなくてもいいかな〜」
と言いつつも、もしかしたら買うかもしれないとそのための現金をポケットに入れていた。

正直なところ、ふたりとも眠く、少し面倒に感じてはいたが、毎年の恒例になっていたので、寒さを堪えつつ神社に向かった。

神社に着くと、真っ暗だった。
お焚き上げの炎も完全に消えており、唯一灯りがついている本殿の奥で組合のおじさま方が片付けをしていた。

その様子に母とちょっと立ち尽くして、せっかく来たんだからと片付けをしている傍らでお賽銭を入れてお祈りをした。これが2024年の初詣となった。
当然破魔矢も買えず、買わないつもりではいたが、そもそも買えないという状況になるとなんとも言えない気持ちにさせられる。

2023年から2024年になるにあたり、いつもよりも一層区切りのない年だなあと思っていたら、新しい年の始まりもこんな感じになってしまった。まあそんな年もある。

神社で飲むのを楽しみにしていた甘酒が飲めなかったので、家に帰って母とふたりで飲んだ。


1月4日(木)

年末から連日出かけたり、人と会っていたことを口実にして、家の大掃除に手をつけていなかった。

今日は予定がなく、久しぶりに家にいる日になったので、床の水拭きを始めるとエンジンがかかり、ずっと見て見ぬふりをしていた窓掃除までやることができた。

掃除は勢いがないとなかなか手をつけられない。
やったら絶対に後悔をしないのに、その行動に至るまでが難しい。お風呂に入ることと似ている。

年末年始の出来事に加え、今年は区切りのない年になっているので、大掃除も年が明けた今日やっている。
できるときにしたらいいのだ!と自分に言い聞かせる。

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