【暮らしのひとすくい】どこかの窓が開いていて秋らしい爽やかな風が車内を吹き抜けた(2024.11.11〜11.16)



11月11日(月)

今日は「犬の日」だ。
11がつ11にち。1が四つ並んで「わんわんわんわん」!

そう思うと、今朝歩いているときはいつもよりたくさんの犬を見かけた気がする。明け方の雨がちょうど止んだタイミングで、皆んなのお散歩タイムが重なったからかもしれない。

ちょっとした偶然が重なって、ちゃんと「犬の日」になった。

そのあと気になって調べてみたら、「犬の日」というのは11月11日のほかにも、11月1日や1月11日など複数あるそう(それはそうか)。
犬好きとしては何日あっても大歓迎です。


11月13日(水)

同僚が仙台へ出張しているので、仙台といえば!の牛タンに思いを馳せる。

わたしが仙台と牛タンで思い出すのは、昔家族と祖父母、従姉妹家族で行った旅行のこと。今思うと、結構な大所帯である。
確か記憶だとあの旅行中は、毎日のように牛タンを食べていた。しっかりとした厚みにもちっとした弾力のある食感、シンプルな味付けだからこそお肉の旨みが十分に感じられる味わいで、皆んな毎日食べていても全然飽きなかったのだ。
あのとき食べた牛タンは、今思い返しても本当に美味しかった。

そこまで思い出して、見事に「週末は牛タンを食べに行くぞ!」という気持ちにさせられた。


11月14日(木)

朝、遠くの空の低い位置に丸くオレンジ色の太陽のような物体がふたつ並んで浮かんでいた。

今更ながら読んでいる村上春樹の『1Q84』という小説には、月はひとつではなく、ふたつあるという描写が登場する。

まさかと思い目を凝らしてみると、ビルに反射した光が分裂してふたつあるように見えているだけだった。ここは2024年。


11月15日(金)

起きがけに窓の外を見てみると、雨が降っていた。
いつもは自転車で最寄り駅まで行っているのだが、雨が降ると歩いて行かなくてはならず、そのちょっとした面倒臭さのせいで、とくに仕事のある日の朝の雨は憂鬱な気分になってしまう。

会社に到着して化粧室の鏡を見ると、出かける準備をしていたときに見た寝癖がすっかりとおさまっていた。左の耳下あたりに、ぴょこんと毛先まで威勢よく跳ね上がったやつがいたはずなのに、もうどこにもいない。どうやらしっとりとした雨粒と湿気にやられたらしい。

憂鬱な気分にさせられることもあるけれど、そんな雨の日に小さく感謝をした。


11月16日(土)

用事を済ませた昼下がり、バスに乗って自宅へ帰る。

バスが銀杏並木のなかを走ったとき、どこかの窓が開いていて秋らしい爽やかな風が車内を吹き抜けた。

後部座席から上の窓をすこし見上げると、黄色く色づいた葉たちが次々と流れていき、隙間から溢れる木漏れ日が腕や膝の上に置いたリュックの上を滑っていった。


11月17日(日)

線香を焚く。
香りが部屋全体に広がるように窓辺に置くと、煙が風に乗って生き物のように揺れ動く。

顔にその煙が当たったとき、なんだかありがたいなあという気になる。
神社やお寺で身を清めるという目的で煙を浴びるあの行為に似ているからかもしれない(あれは「常香炉[じょうこうろ]」というらしい)。

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