わたしとエッセイの出合いは小学校低学年の頃。さくらももこさんの著書がはじめて読んだエッセイだと記憶している。
それまで本のジャンルは小説しかないと思っていたわたしにとって、日常生活のなかで著者の考えたことが綴られていエッセイは、空想や物語の世界よりも身近に感じられ、どんどんとのめり込んでいった。一時期は友人から「口調がちびまる子ちゃんみたい」と言われたくらいである。
それからというもの、本のジャンルではエッセイがいちばんすきであるし、自分の原点のような特別なものとなっている。
この『エッセイストのように生きる』は、エッセイとはなんなのかということから始まり、著者である松浦弥太郎さんが実際にエッセイを書くときに意識していることなどが紹介されている。
これだけ書くと「エッセイストになりたい人に向けた実用書」のように感じてしまうが、実はそうではない。
「エッセイストという生き方」とは、なにかになるための生き方ではなく、自分はどんな人間になりたいのかを考える生き方です。
日々の暮らしと自分自身をまっすぐに見つめて、よろこびや気づきという心の小さな動きを感じ、それを明確にできる生き方です。
『エッセイストのように生きる』松浦弥太郎 p5
これからエッセイを書きたいと思っている人にはもちろんだが、毎日がなんとなくつまらなかったり、同じような日々を送っているように感じている人におすすめしたい。
「エッセイストの考え方」を日々のなかに取り入れることで、毎日の、人生の解像度を高めることにつながるのではないかと思う。
◼︎『エッセイストのように生きる』松浦弥太郎(光文社)
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100988
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